Classici giapponesi con furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Leggi 五重塔 (ごじゅうのとう) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.316 caratteri · 111 schermate
歪みもせず退りもせぬとはよう造ったことの。いやそれについて話しのある、その十兵衛という男の親分がまた滅法えらいもので、もしもちとなり破壊れでもしたら同職の恥辱知合いの面汚し、汝はそれでも生きて居らりょうかと、とても再び鉄槌も手斧も握ることのできぬほど引っ叱って、武士で云わば詰腹同様の目に逢わしょうと、ぐるぐるぐる大雨を浴びながら塔の周囲を巡っていたそうな。いやいや、それは間違い、親分ではない商売上敵じゃそうな、と我れ知り顔に語り伝えぬ。
暴風雨のために準備狂いし落成式もいよいよ済みし日、上人わざわざ源太を召びたまいて十兵衛とともに塔に上られ、心あって雛僧に持たせられしお筆に墨汁したたか含ませ、我この塔に銘じて得させん、十兵衛も見よ源太も見よと宣いつつ、江都の住人十兵衛これを造り川越源太郎これを成す、年月日とぞ筆太に記しおわられ、満面に笑みを湛えて振り顧りたまえば、両人ともに言葉なくただ平伏して拝謝みけるが、それより宝塔長えに天に聳えて、西より瞻れば飛檐ある時素月を吐き、東より望めば勾欄夕べに紅日を呑んで、百有余年の今になるまで、譚は活きて遺りける。