Classici giapponesi con furigana
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『いぶせますじせんしゅう』こうき
『井伏鱒二選集』後記
Leggi 『井伏鱒二選集』後記 (『いぶせますじせんしゅう』こうき) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.132 caratteri · 20 schermate
老いたるカトンは、サルジニア総督時代には、徒歩で巡視をした。お供と云えば唯国の役人を一人つれたきりで、いや最も屡々、自分で行李を持って歩いた。彼は、一エキュ以上する着物を着たことがない、一日に一文以上市場に払ったことがない、と自慢した。また、田舎にある自分の家は、外側に壁土をつけないものばかりだと、自慢した。また、伝うる所によれば、ホメロスは、唯一人しか下僕を持ったことがなかった。プラトンは三人。ストワ派の頭ゼノンは、唯の一人も持たなかった。
チベリウス・グラックスは、国のために任に赴いた時、羅馬最高位の人であったのに、一日に唯の五文半しか支給せられなかった。」
しかし、そのような諸先輩のいろいろまちまちの論は、いずれもこの「青ヶ島大概記」に於てだけは、当るといえども甚だ遠いものではなかろうかと私には思われるのだ。
井伏さんが「青ヶ島大概記」をお書きになった頃には、私も二つ三つ、つたない作品を発表していて、或る朝、井伏さんの奥様が、私の下宿に訪ねてこられ、井伏が締切に追われて弱っているとおっしゃったので、私が様子を見にすぐかけつけたところが、井伏さんは、その前夜も徹夜し、その日も徹夜の覚悟のように見受けられた。