Classici giapponesi con furigana
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きょうのなつげしき
京の夏景色
上村 松園
Leggi 京の夏景色 (きょうのなつげしき) di 上村 松園 (うえむらしょうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2419 caratteri · 5 schermate
でも、なつかしさはなつかしさですし、昔のよさはよさ、今でもはっきりとまるで一幅の絵のように何十年か前の京都の街々のすがたを思い浮べて一人楽しんでいる時がないでもありません。
私が十七、八の頃、夕涼みに四条大橋に行って見ると、橋の下の河の浅瀬には一面に床几が並べられ、ぼんぼりがとぼって、その灯かげが静かな河面に映って、それはそれは何とも美しいものでした。沢山の涼み客がその床几に腰をかけ扇子を使いながらお茶をすすったり、お菓子をつまんだり、またお酒を汲みかわしたりして居るのです。橋際にふじやという大きな料理屋があって河原に板橋を渡して仲居さん達がお客のおあつらえのお料理を入りかわり立ちかわり運んでゆくのです。これを橋の上から眺めているのは私だけではございませんでした。川風の涼しさ、水の中の床几やぼんぼり、ゆらゆらと小波にゆれる灯影、納涼客、仲居さんなどと、賑やかなくせに涼し気なそしてのんびりとした夏景色でございました。これは本当に昔々の思い出話なのでございます。いま四条大橋に行って見たところで決してその橋の下で、人達がそんな風にして夏の短かな夜を楽しんだなどということは夢にも考えることが出来ません。