Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あだうちさんたい

仇討三態

菊池 寛

Leggi 仇討三態 (あだうちさんたい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.136 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

ただ、自分が許し尽しているのに、それを疑って自分を害そうと企てた相手を憫む心だけが動いた。が、それもすぐ消えた。彼には、右半身の痺れだけが感ぜられた。

「愚僧は宵より、右肩を下につけ、疲れ申す。寝返りを許されい!」

彼は、口のうちで呟くようにいいながら、狭い五布の蒲団の中で、くるりと向きを変えた。夢とも現ともない瞬間の後に、彼は再び深い眠りに落ちていた。

役僧の一人が、永平寺を逐電したのは、その翌日である。

その二

越後国蒲原郡新発田の城主、溝口伯耆守の家来、鈴木忠次郎、忠三郎の兄弟は、敵討の旅に出てから、八年ぶりに、親の敵和田直之進が、京師室町四条上るに、児医師の看板を掲げて、和田淳庵という変名に、世を忍んでいるのを探り当てた。

それを初めに知ったのは、弟の忠三郎であった。二度目に上方へ上ったとき、兄弟は京と大坂に別れて宿を取った。別々に敵を尋ねるための便宜だった。

弟の忠三郎が、三条通りを何気なく歩いていたとき、彼は町家の軒先に止まった医師のそれらしい籠を見た。籠の垂れを内から掲げながら、立ち出でた総髪の男を見たとき、彼は嬉しさのあまり躍り上りたかった。