Classici giapponesi con furigana
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ちゅうとう
偸盗
Leggi 偸盗 (ちゅうとう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.934 caratteri · 97 schermate
どうしたのかと思っているうちに、次郎が、いきなり太刀をぬいて、沙金を切った。沙金は助けを呼びながら、逃げようとすると、今度は太郎が、刃を加えたらしい。それからしばらくは、ただ、二人のののしる声と、沙金の苦しむ声とがつづいたが、やがて女の息がとまると、兄弟は、急にいだきあって、長い間黙って、泣いていた。阿濃は、これを遣り戸のすきまから、のぞいていたが、主人を救わなかったのは、全く抱いて寝ている子供に、けがをさすまいと思ったからである。――
「その上、その次郎さんと申しますのが、この子の親なのでございます。」
阿濃は、急に顔を赤らめて、こう言った。
「それから、太郎さんと次郎さんとは、わたしの所へ来て、たっしゃでいろよと申しました。この子を見せましたら、次郎さんは、笑いながら、頭をなでてくれましたが、それでもまだ目には涙がいっぱいたまっておりましたっけ。わたしはもっとそうしていたかったのでござりますが、二人とも、たいへんに急いで、すぐに外へ出ますと、おおかた枇杷の木にでもつないでおいたのでございましょう、馬へとびのって、どこかへ行ってしまいました。馬は二匹ではございません。