Classici giapponesi con furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Leggi 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.032 caratteri · 158 schermate
半夜、眠れぬままに、遥かの濤声に耳をすましていると、真蒼な潮流と爽やかな貿易風との間で自分の見て来た様々の人間の姿どもが、次から次へと限無く浮かんで来る。
まことに、人間は、夢がそれから作られるような物質であるに違いない。それにしても、其の夢夢の、何と多様に、又何と、もの哀れにもおかしげなことぞ!
十一月××日
ウィア・オヴ・ハーミストン第八章書上。
この仕事も漸く軌道に乗って来たことを感ずる。やっと対象がはっきり掴めて来たという訳だ。書きながら自分でも何かどっしりした、分厚なものを感じている。「ジィキルとハイド」や「誘拐」の場合も恐ろしく速く書けたが、書いている最中に確かな自信はなかった。もしかしたら素晴らしいものになっているかも知れないが、或いは又、てんで独りよがりの・恥ずべき駄作かも知れないという懼があった。筆が自分以外のものに導かれ追廻されている恰好だったからだ。今度は違う。同じく、楽に、速く進行してはいるが、今度は明かに自分が凡ての作中人物の手綱をしっかり抑えているのだ。出来栄の程度も、自分ではっきり判るように思う。昂奮した自惚によってでなく、落着いた計量によって。