Classici giapponesi con furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Leggi 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.032 caratteri · 158 schermate
元来アピアには、英・米・独の三国がそれぞれ領事を置いている。併し、最も権力のあるのは領事達ではなくて、独逸人の経営に係る南海拓殖商会であった。島の白人貿易商等の間に在って、此の商会は正しく小人国のガリヴァアであった。曾ては此の商会の支配人が独逸領事を兼ねたこともあり、又其の後、自国の領事(此の男は若い人道家で、商会の土人労働者虐待に反対したので)と衝突して之を辞めさせたこともある。アピアの西郊ムリヌウ岬から其の附近一帯の広大な土地が独逸商会の農場で、其処でコーヒー、ココア、パイナップル等を栽培していた。千に近い労働者は、主に、サモアよりも更に未開の他の島々や、或いは遠くアフリカから、奴隷同様にして連れて来られたものである。
過酷な労働が強制され、白人監督に笞打たれる黒色人褐色人の悲鳴が日毎に聞かれた。脱走者が相継ぎ、しかも彼等の多くは捕えられ、或いは殺された。一方、遥かに久しい以前から食人の習慣を忘れている此の島に、奇怪な噂が弘まった。外来の皮膚の黒い人間が島民の子供を取って喰うと。サモア人の皮膚は浅黒、乃至、褐色だから、アフリカの黒人が恐ろしいものに見えたのであろう。