Classici giapponesi con furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Leggi 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.032 caratteri · 158 schermate
訪ねられた村では必ず彼等をカヴァ酒や踊で歓待しなければならないことになっている。サモア人の底抜の陽気さは、彼等の国語に「借財」或いは「借りる」という言葉の無いことだ。近頃使われているのはタヒティから借用した言葉だ。サモア人は元々、借りるなどという面倒な事はせずに、皆貰って了うのだから、従って、借りるという言葉も無いのである。貰う――乞う――強請する、という言葉なら、実に沢山ある。貰うものの種類によって、――魚だとか、タロ芋だとか、亀だとか、筵だとか、それに依って「貰う」という言葉が幾通りにも区別されているのだ。もう一つの長閑な例――奇妙な囚人服を着せられ道路工事に使役されている土人の囚人の所へ、日曜着の綺羅を飾った囚人等の一族が飲食物携帯で遊びに行き、工事最中の道路の真中に筵を敷いて、囚人達と一緒に一日中飲んだり歌ったりして楽しく過すのだ。何という、とぼけた明るさだろう! 所で、うちのヘンリ・シメレ君は斯うした彼の種族一般と何処か違っている。その場限りでないもの、組織的なものを求める傾向が、この青年の中にある。ポリネシア人としては異数のことだ。彼に比べると、白人ではあるが、料理人のポールなど、遥かに知的に劣っている。