Classici giapponesi con furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Leggi 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.032 caratteri · 158 schermate
正しく、彼でない或るものが。そのものが彼に宿る時、彼は、ブランコで大きく揺上げられる子供の様に、恍惚として其の勢に身を任せるほかはない。彼は、満身に電気を孕んだような状態になり、唯、書きに書いた。それが生命をすり減らすであろうとの懸念は、何処かへ置忘れられた。養生したとて、どれ程長く生きられようぞ。たとえ長生したとて、斯の道に生きるに非ずして、何の良きことがあろうぞ!
さて、そうして茲に二十年。医者が、それ迄は生きられまいと云った四十の歳を最早三年も生延びたのである。
スティヴンスンは彼の従兄のボッブのことを何時も考える。三歳年上のこの従兄は、二十歳前後のスティヴンスンにとって、思想上趣味上の直接の教師であった。絢爛たる才気と洗錬された趣味と該博な知識とを有った・端倪すべからざる才人だった。しかも彼は何を為したか? 何事をもしなかった。彼は今パリで、二十年前と同じく、依然、あらゆる事を理解して、しかも、何事をも為さぬ・一介のディレッタントである。名声の挙がらぬことをいうのではない。彼の精神が其処から成長せぬことをいうのだ。
二十年前、スティヴンスンをディレッタンティズムから救ったデエモンは讃えらるべきであった。