Classici giapponesi con furigana
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いりえのほとり
入江のほとり
正宗 白鳥
Leggi 入江のほとり (いりえのほとり) di 正宗 白鳥 (まさむねはくちょう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.430 caratteri · 50 schermate
漁夫の方からいうても、組長には相当な人間を他所からでも頼んできてそれで食えるだけの月給をやって働かせた方が得なのじゃ。月給を取らにゃ食えん人間なら、自然一生懸命に働いて、他村との懸合いでも漁場の見廻りでも、行届くだろうし、漁夫らの望みならむりなことでもやってくれるだろうが、名誉職の組長にゃそんな真似はできん。むりな註文をおいそれと聞いて飛廻る気にゃなれんからなあ」
「そうかもしれんね」栄一は軽く弟に同意した。
「紀州の沖や土佐の沖じゃ、一網に何万と鯔が入ったの鰤が捕れたのと言うけれどこの辺の内海じゃ魚の種が年年尽きるばかりだから、しだいに村同士で漁場の悶着が激しゅうなるんじゃ。漁夫もこのごろは将来の望みのないことに多少気がついてきて、思いきって百姓になる者ができてきたが、百姓だと米の飯に魚を添えて食うわけに行かんし、こんな村じゃ海でも陸でもええことはない」
こう言った才次の言葉には力が籠っていた。
「しかし、ここいらの奴は皆な身体は強いし、ずいぶん過激な労働には堪えるんだから、智慧と資本のある者が先へ立って使ってやれば役に立つんだが……」
「そりゃどこでもそうだ」