Classici giapponesi con furigana
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いりえのほとり
入江のほとり
正宗 白鳥
Leggi 入江のほとり (いりえのほとり) di 正宗 白鳥 (まさむねはくちょう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.430 caratteri · 50 schermate
がな。この先の島は漁夫が巡査に見つけられんように賭博を打ちに行く処になっとるんじゃもの」
「へえ。あれが漁夫の賭博場かい。そう思ってみるとおもしろいね」栄一はひとかどのいい思いつきのつもりで言ったことを、妹のためにたやすく打消された照れ隠しにこう言って、
「しかし、自分で鋤鍬を持って働くつもりなら何かやれんことはないさ」
「それはやれないことはありません」と、辰男は意外にはっきりした返事をした。
「じゃ、田地を分けてもらって、百姓になりきっちゃどうだい」
「そういう気にもなるんだけど……百姓をして米や麦をつくってもおもしろうないから」
「おもしろくなくっても、田圃に麦や、米ができなきゃ困るじゃないか。……西洋の草花でも造りゃ綺麗でおもしろいかもしれないが」
「花なら自然に生えてるのが好きじゃ。山におった時分に植物の標本をちょっとは集めたことがありました」
「植物の採集もこの辺にゃ珍らしいものはあるまいが、作州の山には高山植物があるんだろう」
「へえ。いろいろ珍らしいものがありました。二三百は異ったのを集めて蔭干にして取っといたのじゃけど、あちらの学校を止めた時に皆な焼いてきました」