Classici giapponesi con furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate
しかるに全く意外にも該老人こそ余人ならず、先生にもご存知の大鳥井紋兵衛、これは怪しと存ぜしまま後を慕って参りしところ、紋兵衛の駕籠は根岸に入り我らが主君には実のご舎弟、帯刀様のお屋敷内へ、姿を隠し申し候、誠に奇怪とは存じながら、せんすべなければ立ち帰らんと、歩みを移せしそのおりから、忽ち前面の草原にあたり、あたかも笛を吹くがようなる美妙な音色湧き起こり、瞬間にして消え候さえ、合点ゆかざる怪事なるに、草原を見れば白粉ようなる純白の粉長々と、帯刀様のお屋敷より、我らがご主君の下屋敷まで、一筋筋を引きおり候。
いよいよ怪しと存ぜしまま、その白粉を摘み取り、自宅へ持ち帰り候が、別封をもってお眼にかけし物こそ、その白粉にござ候。
かくて翌日と相成るや、金一郎様の変死あり、何んとももって合点ゆかず、異様の感に打たれ候ものから、貴意を得る次第に候が、白粉ようなる白粉につき、厳重なるお調べ願いたくいかがのものに候や。下略」
「ふうむ、いかさま、これは怪しい」
読んでしまうと北山は、じっと思案の首を傾げた。それからやおら立ち上がると、実験室へはいって行った。
まず部屋の戸をしっかりと閉じ、次に火器へ火を点じた。