Classici giapponesi con furigana
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えんちょうのぼたんどうろう
円朝の牡丹灯籠
田中 貢太郎
Leggi 円朝の牡丹灯籠 (えんちょうのぼたんどうろう) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7815 caratteri · 16 schermate
新三郎はぞっとした。其の時家の周囲に眼をやっていたお米がお露の方を見た。
「お嬢さま、昨夜のお詞と違って萩原さまは、お心変あそばして、あなたが入れないようにしてございますから、とてもだめでございます。あんな心の腐った男は、もうお諦めあそばせ」
「あれほどまでにお約束をしたのに、変りはてた萩原さまのお心が情けない。お米や、どうぞ萩原さまに逢わせておくれ、逢わせてくれなければ、私は帰らないよ」
お露は振袖を顔にあてて泣きだした。其のうちに二人が裏口の方へ廻ったようであるから、新三郎は蚊帳の中へ入ってぶるぶると顫えていた。
四
おみねはうす暗い行燈の下で一所懸命に手内職をしていたが、ふと其の手を止めて蚊帳の中をすかすようにした。処どころ紙撚でくくった其の蚊帳の中では、所天の伴蔵が両手を膝についてきちんと坐り、何かしらしきりに口の裏で云っていた。おみねは所天の態度がおかしいので目を※(「目+爭」、第3水準1-88-85)った。と、その時みずみずしい女の声が聞えて来た。おみねはおやと思ったが、そのうちに女の声も聞えなくなったので、そのままにしていると、その翌晩もまたその翌晩も同じように伴蔵の所へ女が来るようであるから、とうとうがまんがしきれなくなった。