Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Leggi 凡人伝 (ぼんじんでん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.944 caratteri · 202 schermate

Aozora Bunko

何うぞ宜しく」

と赤羽君が名乗った。

「折角お目にかゝったんですが、お急ぎでしょうね」

と私は長谷川君の風体から然う察しる外なかった。

「いや、今日はもう宜いんです」

「それじゃ少し何処かで話しましょう」

「そこへ入ろう」

と長谷川君は私達をミルク・ホールへ誘った。その頃の学生は質素なものだった。ジャムパンを食べ牛乳を飲んで、相応の気焔を上げる。

「あなたは正義の士だと言って、河原君が感心していますよ」

と赤羽君は長谷川君を相手に早速やり出した。号外を一枚貰ったので、大に感激したのらしい。

「何う致しまして」

「酒屋は恕すべしですが、女郎屋には僕も賛成出来ません」

「さあ」

「正義の為めに苦学するのは豪いです」

「そんな次第でもないんですよ」

と長谷川君は迷惑そうだった。他の客が聴いている。

「赤羽君、このバタパンを食って見給え。うまいぜ」

と私は薦めた。口を塞いで置かないと、ベラ/\喋って困る。

「全く久しぶりだね。君は大きくなったよ」

と長谷川さんがシミ/″\言った。

「あなたは年が寄った」

「そんなこともないだろう」

「いや」

「随分無理をするからね」

「僕は神田へ来る度に会うか/\と思って、気をつけていたんです」