Classici giapponesi con furigana
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さんじゃくかく
化鳥・三尺角 他六篇
泉 鏡花
Leggi 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.536 caratteri · 27 schermate
左様だ、刺身は一寸だめしで、鱠はぶつぶつ切だ、魚の煮たのは、食べると肉がからみついたまま頭に繋って、骨が残る、彼の皿の中の死骸に何うして箸がつけられようといって身震をする、まったくだ。そして魚ばかりではない、柳の葉も食切ると痛むのだ、)と思い思い、又この偉大なる樟の殆ど神聖に感じらるるばかりな巨材を仰ぐ。
高い屋根は、森閑として日中薄暗い中に、ほのぼのと見える材木から又ぱらぱらと、ぱらぱらと、其処ともなく、鋸の屑が溢れて落ちるのを、思わず耳を澄まして聞いた。中央の木目から渦いて出るのが、池の小波のひたひたと寄する音の中に、隣の納屋の石を切る響に交って、繁った葉と葉が擦合うようで、たとえば時雨の降るようで、又無数の山蟻が谷の中を歩行く跫音のようである。
与吉はとみこうみて、肩のあたり、胸のあたり、膝の上、跪いてる足の間に落溜った、堆い、木屑の積ったのを、樟の血でないかと思ってゾッとした。
今までその上について暖だった膝頭が冷々とする、身体が濡れはせぬかと疑って、彼処此処袖襟を手で拊いて見た。仕事最中、こんな心持のしたことは始めてである。
与吉は、一人谷のドン底に居るようで、心細くなったから、見透かす如く日の光を仰いだ。