Classici giapponesi con furigana
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さんじゃくかく
化鳥・三尺角 他六篇
泉 鏡花
Leggi 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.536 caratteri · 27 schermate
木精(三尺角拾遺)
「あなた、冷えやしませんか。」
お柳は暗夜の中に悄然と立って、池に臨んで、その肩を並べたのである。工学士は、井桁に組んだ材木の下なる端へ、窮屈に腰を懸けたが、口元に近々と吸った巻煙草が燃えて、その若々しい横顔と帽子の鍔広な裏とを照らした。
お柳は男の背に手をのせて、弱いものいいながら遠慮気なく、
「あら、しっとりしてるわ、夜露が酷いんだよ。直にそんなものに腰を掛けて、あなた冷いでしょう。真とに養生深い方が、それに御病気挙句だというし、悪いわねえ。」
と言って、そっと圧えるようにして、
「何ともありはしませんか、又ぶり返すと不可ませんわ、金さん。」
それでも、ものをいわなかった。
「真とに毒ですよ、冷えると悪いから立っていらっしゃい、立っていらっしゃいよ。その方が増ですよ。」
といいかけて、あどけない声で幽に笑った。
「ほほほほ、遠い処を引張って来て、草臥れたでしょう。済みませんねえ。あなたも厭だというし、それに私も、そりゃ様子を知って居て、一所に苦労をして呉れたからッたっても、姉さんには極が悪くッて、内へお連れ申すわけには行かないしさ。我儘ばかり、お寝って在らっしゃったのを、こんな処まで連れて来て置いて、坐ってお休みなさることさえ出来ないんだよ。