Classici giapponesi con furigana
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なんぶのはなまがり
南部の鼻曲り
久生 十蘭
Leggi 南部の鼻曲り (なんぶのはなまがり) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.683 caratteri · 25 schermate
憎らしくなって、今日吐くか明日は吐くかと楽しみにして待っていたが、とうとう聖ミチェルの港へ入るまで期待に添ってくれなかった。港へあがってから、
「いようだいぶ柳すがたになったね」
とひやかしてやると、ワットオの絵は波止場の繋船柱に縋りつきながら、
「O not much just my size.」
はあ、いえ、ちょうどいい加減に、などと減らず口を叩いた。
そこから会社のタグ・ボートでユーコン河を百浬ほどのぼり、ここがクエンスローだと追いおろされたところは、菅がチョビチョビと生えた雪まじりの沼地で、骨ばかりになった雑木林と斜にかしいだ半潰れの木骨小屋が霧の中からぼんやりとあらわれだしている。いや、見るからに腹の立つようなひどいところだったよ。
風景はこの話に関係ないから略すが、キャナリーへ着くと、モオリーは雑木林の向うのアメリカ組の木骨小屋へ、おれは希臘人やアルメニヤ人の移民組の天幕と互いに別れ別れになって、こんな狭い土地にいながらめったに逢うようなこともなくなった。
人間というものは、こういう茫漠たる大自然の中へとりこめられてしまうと、むやみに心細くなるものだとみえ、雪ほおじろが人も恐れずに沼のほとりでピョンピョンはねているのを見ても O my friend と呼びかけたいような気がしたりする。