Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おじ

叔父

豊島 与志雄

Leggi 叔父 (おじ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.585 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

喜代子の顔に真剣な気脈が動いて、それが美しくぱっと輝いたような気がしたのだった。

中野さんは変に腹がたって来た。

「まあ然し、何でも若いうちのことだ。」

そして眼瞼のたるんだ眼をぎろりとさした。

「君は酒はいくらも飲めそうだが、杯の持ち方は酒飲みらしくないね。こんな風に持たなくちゃまずいよ。」

三本の指をそえた人差指と親指とで、軽く杯を挙げてみせた。

「あ、そうですか。」

笹部は平気で、示された通りの持ちようを真似た。その手先がやはり不均合に大きかった。

「わたしは少し観相の方を研究してみたことがあるが、君の相は……中以上のように思える。まあしっかり勉強するんだね。」

最後の一句をとってつけたように早口で云って、中野さんははははと笑った。

それが不意に、一座の空気を一変さしてしまった。笹部はじろりと中野さんの方を見て、それから執拗な眼付を膝頭に落した。喜代子はぽーっとした赤味を頬に上せた。もう出来上った一人前の女の顔付だった。

「叔父さま、昨日お願いしましたことは……。」

「うむ、聞いてあげるよ。」

中野さんは云い捨てて立上った。足元が少しふらついていた。それをどしんどしんと踏みしめて、奥の室から紙幣の束を持ってきた。