Classici giapponesi con furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Leggi 可愛い山 (かわいいやま) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.791 caratteri · 196 schermate
第二日
と言うから、焚火ごしに手をのばして、アラームを調節する。あしたは四時半に起きて路をさがしに行くとのことであった。
飯が済むとすることが無い。濡れた靴下を炉の上につるし、長々とアンペラに横たわって寝る。
焚火が消えかけると足が寒い。新しい薪をくべると、やけどしそうになる。夜中に何度も目が覚めた。鼠が騒ぐ。柱の釘にかけた私の上衣の、襟の裏についているひつかけが切れてドサンと顔の上に落ちて来た。風の音、黒部の瀬の音。
第二日
目をさますと、向う側にねていた北沢がいない。ランプの光に、目覚時計だけが光っている。眼鏡をかけて見ると五時ちょっと前。囲炉裏のとろ火には味噌汁とお茶とがかけてある。
まだ早いから、もう一度ねようかと思ったが、目が覚めて了うと小舎の中の煙っぽくて埃っぽい空気がたまらなくなる。お茶を一杯と、横にころがった瀬戸引きの水飲みを取り上げると、中には灰が沢山入っている。ズボンのポケットから、前二日間の汗と水っぱなとでヨレヨレになったハンケチを出し、それで拭って茶を飲む。きたないことが平気になるから山は不思議といわねばならぬ。
慎太郎さんはよく眠っている。