Classici giapponesi con furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Leggi 可愛い山 (かわいいやま) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.791 caratteri · 196 schermate
私は芝の上にねころがって、落葉松を見上げた。落葉松の梢から、目が痛くなる程澄んだ空を見た。
山の中腹に、たった一本生えた落葉松である。高さ何十尺か。幹がすーっとのびて、その幹には犬の毛が植えたように、短い枝が密生している。上は見事にひらいて、箒草の形である。元来が短い、細い葉だから、枝から生えたというよりも、枝に巻きつけた気持がする。若葉の時は、まるで煙のよう。黄葉は金粉。
灌木の中に二間ばかりの栗の木が立っている。栗は気が早い。すっかり葉を落して了っているが、枝のさきに毬を二つ三つつけているので、ガサガサと根もとまで登って見た。
草を分けると毬は沢山ちらばっている。だが実は一つも見えない。どうしたのだろう、こんな小さな栗を拾いに来る人もあるまいし、また落葉に埋れた筈はなし……と思っていると、下からKさんが声をかけた。
「栗は無いでしょう。栗鼠がみんな持ってっちまうから。」
栗鼠が栗を持って行く。冬の仕度に、自分の家へ、貯蔵庫へ、両手でかかえて行く。私はその姿を思い浮べながら、一生懸命にさがし求めた。そしてやっと見つけたのは、私の拇指の爪より小さい奴三つ。