Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate
「ほほうのう、水忍術を使うとは、ちと容易ならんことになってまいったな。よしよし、久方ぶりじゃ、知恵袋にかびがはえぬよう、虫干しさせてやろうよ」
いいながら、そろりそろりとあごのあたりをなでなで、巨細にへやのうちを調べだしました。見ると、ふすま、障子はいうまでもないこと、壁からびょうぶまでがことごとく同じ幽霊水に襲われているのです。さすがに障子だけはもうかわいていたが、ふすまもからかみも、下半分は一面にしみが残って、じっとりとまだ湿ったままでした。しかも、その水しみが、あたかも今いった水芸でぽたりぽたりしずくをたらしたようなしみばかりなのです。当然のごとく、名人の目はさえ渡りました。天井から雨だれのようにでもたれおちた形跡があれば格別だが、申し合わせたように下半分へ、それもあきらかにへやの中からふりかけたらしい痕跡があるところを見ると、嵐三左衛門ならずとも、その下手人としての疑いを水芸達者の江戸五郎にかけたくなるのは当然なことだったからです。しかし、それにしても、ひと晩やふた晩ならともかく、十日のうえも寝ているへやの中へ忍びこまれて、しかもこれだけの水いたずらされながら、まるで知らないというのは、いかにも不思議といわざるをえない。