Classici giapponesi con furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Leggi 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.584 caratteri · 59 schermate
二老人
上
秋は小春のころ、石井という老人が日比谷公園のベンチに腰をおろして休んでいる。老人とは言うものの、やっと六十歳で足腰も達者、至って壮健のほうである。
日はやや西に傾いて赤とんぼの羽がきらきらと光り、風なきに風あるがごとくふわふわと飛んでいる、老人は目をしばたたいてそれをながめている、見るともなしに見ている。空々寂々心中なんらの思うこともない体。
老人の前を幾組かの人が通った。老えるも若きも、病めるも健やかなるも。されどたれあってこの老人を気に留める者もなく、老人もまた人が通ろうと犬が過ぎ行こうと一切おかまいなし、悠々行路の人、縁なくんば眼前千里、ただ静かな穏やかな青空がいつもいつも平等におおうているばかりである。
右の手を左の袂に入れてゴソゴソやっていたが、やがて「朝日」を一本取り出して口にくわえた。今度はマッチを出したが箱が半ばこわれて中身はわずかに五六本しかない。あいにくに二本すりそこなって三本目でやっと火がついた。
スパリスパリといかにもうまそうである。青い煙、白い煙、目の先に透明に光って、渦を巻いて消えゆく。
「オヤ、あれは徳じゃないか。