Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ななしゆびものがたり

名なし指物語

新美 南吉

Leggi 名なし指物語 (ななしゆびものがたり) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.

N4 · base · kanji e kana moderni · 10.312 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

そして、マタンがリンゴに手をかけたとき、お金持ちはちょうど、その木の下にいたのでありました。

「マタンちゃん、いけないってば。」

ジュリーが右手をひっぱりますと、マタンはひっぱられるままに、おりてきました。けれど、どうしたことでしょう。左手をおさえて、その場にしゃがんでしまいました。顔色は、まっさおでした。

「あっ、マタン。」

ジュリーは、ものにおびえたようにするどくさけぶと、前だれで顔をおおってしまいました。

「わたしの名なし指は、そうしてなくなってしまったのさ。」

といって、おじいさんはもう、かたほうのくつをつくりあげてしまいました。子どもたちは、大きく目を見はって、聞いていました。

「クルミのからをかぶったまま、なくなってしまったのさ。」

と、ひざの上にたまった木くずを落としながら、おじいさんは、いいたしました。

「いたかったでしょう。」

と、ひとりの子どもがききました。

「いたかったさ。おまえたちなら、とびあがってなくな。」

「おかあさんにしかられやしなかった?」

と、ひとりの子どもがききました。その子は、外でけがをして帰ってくると、きっと、おかあさんにしかられるので、そんなことをきいたのでした。