Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ななしゆびものがたり

名なし指物語

新美 南吉

Leggi 名なし指物語 (ななしゆびものがたり) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.

N4 · base · kanji e kana moderni · 10.312 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

「おかあさんにかい。しかられたな。よくしかられたな。けれど、しかったあとでおかあさんは、いつもわたしの手を胸におしあてて、かわいそうに、かわいそうに、だれがこんなかわいそうなことをしたのって、ないたな。」

「お金持ちのほうから、あやまってきたの。」

と、なかでいちばん年上の少年がききました。

「あやまっちゃこないさ。よその家のリンゴをとろうとしたのがわるいのだって、いってたそうだ。」

子どもたちは、だまってしまいました。

なるほど、よその家のリンゴをとろうとしたのは、わるいことにちがいありません。けれど、一つのリンゴをとろうとしたからって、指を一本切り落として、それがあたりまえだといっているのは、あまりにざんこくであるとも考えられました。

「それで、その名なし指は、どうなっちゃったんでしょう。」

木ぐつ屋になりたい子どもが、いちばん前にしゃがんでいてききました。その熱心なようすに、マタンじいさんは動かされました。

「まだ聞きたいのかい。それじゃ、聞かせてあげようかな。ちょっと、待っといで。」

もう、日が西のほうへうつっていましたので、マタンじいさんは、子どもたちの上にかぶさっていた日おおいの幕を、しぼりあげました。