Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいきょくけっていばん

名曲決定盤

野村 あらえびす

Leggi 名曲決定盤 (めいきょくけっていばん) di 野村 あらえびす (のむらあらえびす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.837 caratteri · 680 schermate

Aozora Bunko

その意味において、当代まことに得難きピアニストであると言えると思う。

バックハウスには難曲はない。その演奏に接すると、常勝将軍が兵をやるごとく、いささかの不安も、こだわりも、後腐れもない。大抵の技巧家の演奏は、技巧を思わせる性質のものだ。ベートーヴェンやショパンを感ずる前に、ピアニストの指を感じさせる場合の方が多いのに、バックハウスに至っては、鞍上人なく鞍下馬無しだ。我々は指もキーも忘れて、その描き出して行く曲に引き入れられる。これが本当の技巧家であり、本当のピアニストであると言ってもいい。

例えば、ルービンシュタインやフリートマンは、比い稀な技巧家ではあるが、我々にその技巧を忘れさせる域にまで達することは出来ない。ケンプに至っては、常にその指を意識させ、その足を意識させた。ケンプはバックハウスとは対蹠的な非技巧家ではあるが、それに比べると、バックハウスの演奏は天衣無縫と言った趣で、なんの技巧も意識させることなしに、難曲中の難曲を、苦もなく征服している。これは、彼の指の速さばかりではない、演奏芸術家として、最高最良の天稟を有するもので、バックハウスの尊さは、即ちそこにあると言うべきである。