Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Leggi 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.123 caratteri · 643 schermate

Aozora Bunko

迷亭は銭に不自由はしないが、あんな偶然童子だから、寒月に援けを与える便宜は尠かろう。して見ると可哀相なのは首縊りの力学を演説する先生ばかりとなる。吾輩でも奮発して、敵城へ乗り込んでその動静を偵察してやらなくては、あまり不公平である。吾輩は猫だけれど、エピクテタスを読んで机の上へ叩きつけるくらいな学者の家に寄寓する猫で、世間一般の痴猫、愚猫とは少しく撰を殊にしている。この冒険をあえてするくらいの義侠心は固より尻尾の先に畳み込んである。何も寒月君に恩になったと云う訳もないが、これはただに個人のためにする血気躁狂の沙汰ではない。大きく云えば公平を好み中庸を愛する天意を現実にする天晴な美挙だ。人の許諾を経ずして吾妻橋事件などを至る処に振り廻わす以上は、人の軒下に犬を忍ばして、その報道を得々として逢う人に吹聴する以上は、車夫、馬丁、無頼漢、ごろつき書生、日雇婆、産婆、妖婆、按摩、頓馬に至るまでを使用して国家有用の材に煩を及ぼして顧みざる以上は――猫にも覚悟がある。幸い天気も好い、霜解は少々閉口するが道のためには一命もすてる。足の裏へ泥が着いて、椽側へ梅の花の印を押すくらいな事は、ただ御三の迷惑にはなるか知れんが、吾輩の苦痛とは申されない。