Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Leggi 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.123 caratteri · 643 schermate

Aozora Bunko

布団は乗るための布団で見詰めるために細君が勧工場から仕入れて来たのではない。布団にして敷かれずんば、布団はまさしくその名誉を毀損せられたるもので、これを勧めたる主人もまた幾分か顔が立たない事になる。主人の顔を潰してまで、布団と睨めくらをしている毬栗君は決して布団その物が嫌なのではない。実を云うと、正式に坐った事は祖父さんの法事の時のほかは生れてから滅多にないので、先っきからすでにしびれが切れかかって少々足の先は困難を訴えているのである。それにもかかわらず敷かない。布団が手持無沙汰に控えているにもかかわらず敷かない。主人がさあお敷きと云うのに敷かない。厄介な毬栗坊主だ。このくらい遠慮するなら多人数集まった時もう少し遠慮すればいいのに、学校でもう少し遠慮すればいいのに、下宿屋でもう少し遠慮すればいいのに。すまじきところへ気兼をして、すべき時には謙遜しない、否大に狼藉を働らく。たちの悪るい毬栗坊主だ。

ところへ後ろの襖をすうと開けて、雪江さんが一碗の茶を恭しく坊主に供した。平生なら、そらサヴェジ・チーが出たと冷やかすのだが、主人一人に対してすら痛み入っている上へ、妙齢の女性が学校で覚え立ての小笠原流で、乙に気取った手つきをして茶碗を突きつけたのだから、坊主は大に苦悶の体に見える。