Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うたのたてやましんじゅういっきょく

唄立山心中一曲

泉 鏡花

Leggi 唄立山心中一曲 (うたのたてやましんじゅういっきょく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.835 caratteri · 61 schermate

Aozora Bunko

)

(お手間が取れます。)

(さあ、お退き、これ、そっちへ。)

(いいえ、いいえ。)

否々をして、頭をふって甘える肩を、先生が抱いて退けようとするなり、くるりとうしろ向きになって、前髪をひしと胸に当てました。

呼吸を鎮めて、抱いた腕を、ぐいと背中へ捲きましたが、

(お退きと云うに。――やあ、お道さんの御母君、御母堂、お記念の肉身と、衣類に対して失礼します、御許し下さい……御免。)

と云うと、抱倒して、

(ああれ。)

と震えてもがくのを、しかと片足に蹈据えて、仁王立にすっくと立った。

(用意は宜しい。……縫子さん。)

(…………)

(…………)

(さようなら……)

(……さようなら、貴方。)

日光の御廟の天井に、墨絵の竜があって鳴きます、尾の方へ離れると音はしねえ、頤の下の低い処で手を叩くと、コリンと、高い天井で鳴りますので、案内者は、勝手に泣竜と云うのでございますが、同じ音で。――

コリンと響いたと思うと、先生の身体は左右へふらふらして動いたが、不思議な事には倒れません。

南無三宝。

片手づきに、白襟の衣紋を外らして仰向きになんなすった、若奥様の水晶のような咽喉へ、口からたらたらと血が流れて、元結が、ぷつりと切れた。