Classici giapponesi con furigana
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うたのたてやましんじゅういっきょく
唄立山心中一曲
泉 鏡花
Leggi 唄立山心中一曲 (うたのたてやましんじゅういっきょく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.835 caratteri · 61 schermate
トタンにな、革鞄の袖が、するすると抜けて落ちました。
(貴方……短銃を離しても、もう可うございますか。)
若旦那が跪いてその手を吸うと、釣鐘を落したように、軽そうな手を柔かに、先生の膝に投げて、
(ああ、嬉しい。……立野さん、お道さん、短銃をそちらへ向けて打つような女とお思いなさいましたか。)
(只今、立処に自殺します。)
と先生の、手をついて言うのをきいて、かぶりを掉って、櫛笄も、落ちないで、乱れかかる髪をそのまま莞爾して、
(いいえ、百万年の後に……また、お目にかかります。お二方に、これだけに思われて、縫は世界中のしあわせです――貴方、お詫は、あの世から……)
最後の言葉でございました。」
「お道さんが銀杏返の針を抜いて、あの、片袖を、死骸の袖に縫つけました。
その間、膝にのせて、胸に抱いて、若旦那が、お縫さんの、柔かに投げた腕を撫で、撫で、
(この、清い、雪のような手を見て下さい。私の偏執と自我と自尊と嫉妬のために、詮ずるに烈しい恋のために、――三年の間、夜に、日に、短銃を持たせられた、血を絞り、肉を刻み、骨を砂利にするような拷掠に、よくもこの手が、鉄にも鉛にもなりませんでした。