Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

Leggi 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.586 caratteri · 159 schermate

Aozora Bunko

むかし自分を叱ったり怒りつけたりした年上の者供に、現在その身の力量を見せて驚かしてやるのが、何より嬉しく思われてならないのであった。

やがて田舎の者だけでは満足していられなくなった。新太郎は以前もみじの料理場で手つだいをさせながら、けんつくを食した上田という料理番にも、おかみさんや旦那にも、また毎晩飲みに来たお客。煙草を買いに出させる度毎に剰銭を祝儀にくれたお客にも会って見たくなった。進駐軍の兵卒と同じような上等の羅紗地の洋服に、靴は戦争中士官がはいていたような本皮の長靴をはき、鍔なしの帽子を横手にかぶり、日避けの色眼鏡をかけた若きプロレタリヤの姿が見てもらいたくなって、仕事に行く道すがらも怠りなく心あたりを尋ね合していた。

板前の家はもと下谷の入谷であったので、その方面へ行った時わざわざ区役所へ立寄って立退先をきいて見たが能くわからなかった。もみじのおかみさんは元赤坂で芸者家をしていた人で、その頃二十四、五になっていたから、今は三十を越している筈だ。旦那は木場の材木問屋だと聞いていたから、統制後、財産封鎖の今となっては何をしているのだろう。事によったら随分お気の毒な身の上になっていないとも限らない。