Classici giapponesi con furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Leggi 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.586 caratteri · 159 schermate
道子は橋の欄干に身をよせると共に、真暗な公園の後に聳えている松屋の建物の屋根や窓を色取る燈火を見上げる眼を、すぐ様橋の下の桟橋から河面の方へ移した。河面は対岸の空に輝く朝日ビールの広告の灯と、東武電車の鉄橋の上を絶えず往復する電車の燈影に照され、貸ボートを漕ぐ若い男女の姿のみならず、流れて行く芥の中に西瓜の皮や古下駄の浮いているのまでがよく見分けられる。
折から貸ボート屋の桟橋には舷に数知れず提燈を下げた涼船が間もなく纜を解いて出ようとするところらしく、客を呼込む女の声が一層甲高に、「毎度御乗船ありがとう御在ます。水上バスへ御乗りのお客さまはお急ぎ下さいませ。水上バスは言問から柳橋、両国橋、浜町河岸を一周して時間は一時間、料金は御一人五十円で御在ます。」と呼びつづけている。橋の上は河の上のこの賑いを見る人達で仲見世や映画街にも劣らぬ混雑。欄干にもたれている人達は互に肩を摺れ合すばかり。人と人との間に少しでも隙間が出来ると見ると歩いているものがすぐその跡に割込んで河水の流れと、それに映る灯影を眺めるのである。
道子は自分の身近に突然白ズボンにワイシャツを着た男が割込んで来たのに、一寸身を片寄せる途端、何とつかずその顔を見ると、もう二、三年前の事であるが、パレスという小岩の遊び場に身を沈めていた頃、折々泊り