Classici giapponesi con furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Leggi 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.586 caratteri · 159 schermate
殊に専門学校の教師などしている人はその地位と職業とを終焉のものと考え、喜んで一生をその道に投じているという風があります。教師の椅子を踏み台にして立身出世をしようとあせるような風がないのです。また生徒の気受けをよくしようと思って殊更に奇論を吐いたり新しがって見せたりするような風もありません。私の居た時分、米国の田舎、地方の小邑は実に理想的な健全な処のように思われました。こう云う田舎の町を散歩するとささやかな住宅の周囲にはどこにも垣根がなく、菜園や花壇などが車の通る道路に面した処につくられて居ますが、花を手折ったり果物を盗んだりする者はありません。暮方近い夕靄の立ちこめる道の上を年老いた郵便配達夫のパイプを啣えながら歩いて行くのが、いかにも呑気に見られたものでした。郵便物をポストに入れる場合に、大きな雑誌や何か、函の口に差入れられない物は、その儘函の下の道端に置いて行っても、盗まれるおそれが無いのでした。これも田舎の町の美風とでも言うのでしょう。兎に角米国は不思議な処で白日汽車や銀行を襲うギャングもあれば、道に落ちた物も人の拾わないと云うような古風な風俗も見られたのです。