Classici giapponesi con furigana
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ぜんこんどんこん
善根鈍根
佐々木 邦
Leggi 善根鈍根 (ぜんこんどんこん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.638 caratteri · 28 schermate
機械とは違うんだから、半期に二日や三日の欠勤は不可抗力じゃなかろうか?」
と身体の弱いものに同情したとする。その折傾聴していた社員は皆勤の貴さということを考えるのが本当だろうけれど、それはそれとして、
「君、一大発見をしたよ」
「何だい?」
「半期に三日までの欠勤はボーナスに影響しないらしい」
と都合の好い暗示を受けて、仲間に吹聴する。それだから重役はそんなに危いことは決して言わない。
藤浪君も斯ういう暗示を受け易い人だ。唯今、出勤して、机に坐ると早々、左の手でマッチを擦って、煙草に火をつけた。この左ギッチョも煙草も来歴をいえば暗示に属する。乳母が左利きだったから、いつの間にか左を余計に使うようになってしまったのである。
その後、両親が矯正に努めたから、ペンや箸は右を使うけれど、他のことは大抵左で用を足す。煙草は大学卒業後現在の社へ入ってから始めた。藤浪君は新聞記者である。
或日、同僚数名が一塊になって話し込んでいる時、一人が咳をして窓を開けた。煙草の煙に噎せたのだった。
「煙草を吸わない人間は迷惑するよ」
「成程。木下君は蛙だったね」
「蛙?」
「うむ。蛙に煙草を飲ませると、斯う首を縮めて、頻りに咳をする。