Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

よねんかん

四年間

山本 周五郎

Leggi 四年間 (よねんかん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.135 caratteri · 36 schermate

Aozora Bunko

三

「いやなにもない」信三は、そのときはじめて昌子を見た、焦点のくるったような、ひどく空虚なひとみだった、そしてなにかひじょうに狼狽したように、あわててそむき、「……じゃ、時間の約束があるから」と云い、まるで逃げるような大股でさっさと潮見坂のほうへ去っていった。

昌子はいいようもなくがっかりした、抑えようもなく悲しい、裏切られでもしたような気持だった、右手に持っている手提鞄が急に重くなり、なが湯のあとのように体がだるくなるのを感じた。……そして無意識に改札口のほうへ歩きだしたとき「橋本君」とうしろから呼び止められた、びっくりしてふり返ると信三だった、走って来たのだろう、汗ばんだ顔をして、にらむようにこっちを見た。

「かんにんしてくれたまえ、本当にぬけられなくなったんだから、すまないが気を悪くしないようにね」そして、昌子の答えは待たずに引き返していった。

三

茅ヶ崎の家へ帰ると、庭の砂場で遊んでいた甥と姪がとんで来た。兄嫁の松代は夕餉のしたくをしていたが、子供たちの声を聞いて不審そうに出て来た。

「まあどうなすったの、旅行はおやめ……」

「ただいま、ええ急に村野先生のご都合が悪くなりましたの、お兄さまは」