Classici giapponesi con furigana
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かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Leggi 回想録 (かいそうろく) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.774 caratteri · 71 schermate
父は、そんなものはおかしくてなれないと断っていたが、岡倉さんに呼出されて懇々説諭されて漸く引受けたらしい。天心先生がある時、不意に遊びに来られた時のことを覚えている。何處かの帰りで、既に半分酔ってやって来られ、家では岡倉さんは何でも酒がなくてはと言うので急に買いに行くやら大騒ぎをした。夏だったから座敷が開放してあるところへ、ガラスのホヤのついている蝋燭立を二つ許り並べた真中に床の前に胡坐をかいて、実にいい機嫌で可成夜更けまで何か滔々とやっていた。天心先生はお酒をのむと相当呂律が廻らなくなるので何を言ってるのか聞きとれないが、聞きとれてもどういう意味か子供の私には解らなかったろうから、既にその時に記憶はない。細い目を据えて、私の方をジロリジロリ見ている様子が非常に頭に残っている。何か愉快な豪傑みたいな気がして、普通の人とは違った歴史上の人が来て何かやっているような気がして、印象によく残ったのであろう。父は以前はよく酒を飲んだが、その当時は殆と飲まなくなっていたので、無理に奨められ仕方なく時々盃を口にしている様子が子供ながら解るので、私は厭な気持というのではないが非常に荷厄介なような感じで、早く帰ってくださればいいと思った。