Classici giapponesi con furigana
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かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Leggi 回想録 (かいそうろく) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.774 caratteri · 71 schermate
祖父は声が自慢で、大津絵などうまく、影絵をやりながら唄ったりして、そういうことをやるのが楽しみのようであった。ものにこだわらない明るい気性で、後で考えると私共を実によく労ってくれたことがわかる。
祖母は、私の生れた明治十六年に亡くなったが、なかなか偉い人のように思える。埼玉県の菅原という神官の娘で手蹟なども遺っているが、字も立派だし、神官の娘だけあって歌も詠むし、方位だとか暦のことは非常に委しく、その書き遺したものなど見ると相当教養のある人だったように思われ、香具師の女房などには不思議な位である。人の話では何でも誘拐されて祖父の許に来たと言う。そして後妻になって祖父を扶け、それが祖父を感化して了った。祖父はもともとそれに生れついた人ではなかったから、祖母を貰ってからは足を洗おうとしていたらしいが、どういうきっかけか知らないが兎に角足を洗って、私の父が奉公の年季が明けた頃にはもう素人で、それから隠居して、父が当主になったのである。
父には兄があって、それは先妻の子供で後まで中島と言っていたが、相当うまい大工であった。父は金華山のお寺に貰われてゆく筈であった。