Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちじょう

地上

島田 清次郎

Leggi 地上 (ちじょう) di 島田 清次郎 (しまだせいじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 175.250 caratteri · 350 schermate

Aozora Bunko

「それあ、何ともまだ言われませんけれど、無いこともありませんわ」

「はっきり言ってください。ありますか」

「ええ。ありますわ」

「そうですか」永井はまた眼を俯せた。このときさっきから帰ろうとしていた宮岡が、立ち上がろうとした。尾沢は「もう帰るのか」と言った。

「ええ、失敬します」

「試験もすんだんだし、急がなくてもいいだろう――今、これからすぐカッフェへ行くから、もう少し待っていて一緒に来たまえ」

「そうしようか」

「永井君」と尾沢は永井の背をたたいた。「あとにしたまえ。それよりか今夜はカッフェへ行って久しぶりで少し酔おうじゃないか。ね、そうしよう。自分の真情の要求に直進的に殉ずるか、それだけの勇気がなかったら一切の自力を捨ててなるようにまかすか、どっちかだと僕は思う。苦しみをなくしようとしたってそれあ駄目さ。寝るのが一番だね。寝ていたって夢で魘されることもあらあ」

「そうだ。そうしよう。今夜は飲もう。静子さんもおいでよ、ね。――大河君、大河君、君も来たまえ」

「ええ」と平一郎も立ち上がった。

五人の群は戸外に出た。雪は降っていなかったが、黒藍の寒空に星が二つ三つ光っていた。