Classici giapponesi con furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Leggi 地上 (ちじょう) di 島田 清次郎 (しまだせいじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 175.250 caratteri · 350 schermate
高等学校の学生である宮岡は長いマントをかぶりながら、静かな夜更けを愛誦の歌を朗吟するのだった。
頬につたふ涙のごはず一握の砂を示しゝ女を忘れず
「石川啄木! いいね、啄木は!」
「長らえようか永らえまいか――あはっはっはっ、ハムレットは馬鹿だね、己達がこうして生きているということが、とりもなおさず死の国からの便りじゃないかね。死の国から一人も帰ったものがないどころか、死の国からこうしてこの全世界が帰っているじゃないかね。あはははは、ハムレットはまだおめでたいものさ」
色硝子の紫や紅や青や黄金色の硝子を透して輝く光彩が路上を染めていた。ドアを押して一群は室内に入った。
「いらっしゃいまし」と白いエプロンと後ろの赤い帯との対照の美しい給仕女がこの奇異な一群を迎えた。階下の食堂では、熱帯性植物の青い厚い葉蔭から、若い絵師の一群がマンドリンを掻き鳴らしている姿が覗かれた。
「二階へ行くよ。おい、二階のあの奥の方へ通してくれないか」尾沢は黒いソフトと黒いマントを脱いで階段を昇った。二階は日本風な座敷がこしらえてあった。
「永井! 日本酒か。色のある奴か」
「両方もらおう。