Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちめいのけんきゅう

地名の研究

柳田 国男

Leggi 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.308 caratteri · 347 schermate

Aozora Bunko

一七 富土、風戸

たとえば赤羽の停車場から少し上流で、

武蔵北足立郡新倉村大字下新倉字雑談袋新田

は『新篇武蔵国風土記稿』によれば、村の北、荒川端へ張り出し、そのさま袋のごとく対岸大野村と雑談をなし得るゆえに、名づけたということである。この地が荒川南岸でありながら北足立郡に属するのを見ても、いわゆる袋の発現のさほど古くないことが知れるが、世間の話のことを雑談と言う普通の語は、少なくも二百年後のものではあるまい。

フクロは必ずしも関東の専有ではない。他の諸国にも、

陸奥北津軽郡三好村大字鶴ヶ岡字川袋

越後中頸城郡中吉川村大字河沢字西袋

近江栗太郡物部村大字勝部字中袋

肥後葦北郡水俣村大字袋

などがある。肥前平戸の西方には江袋湾と言う入江があって、その地形は法のごときフクラであるのをもって考えると、九州のフクロは別にあるいはフクラの後訛かも知れぬ。

一七 富土、風戸

昔の人の感情は驚くべく粗大であった。羞恥と言う言葉の定義が輸入道徳によって変更せられたまでは、男女ともにおのおのその隠し所の名を高い声で呼んでいたらしい。しこうしてその痕跡を留めている地名のごときは、よほど起原の古いものと見てよろしいのである。