Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
すると奥の方が一面に薄明るく――明るくと云うが、締りのない、取り留めのつかない、微な灯を無理に広い間へ使って、引っ張り足りないから、せっかくの光が暗闇に圧倒されて、茫然と濁っている体であった。その中に一段と黒いものが、斜めに岩へ吸いついている辺から、かあんかあんと云う音が出た。洞の四面へ響いて、行き所のない苦しまぎれに、水に跳ね返ったものが、纏まって穴の口から出て来る。水も出てくる。天井の暗い割には水の方に光がある。
「這入って見るか」
と云う。自分はぞっと寒気がした。
「這入らないでも好いです」
と答えた。すると初さんが、
「じゃ止めにして置こう。しかし止めるなあ今日だけだよ」
と但し書をつけて、一応自分の顔をとくと見た。自分は案の定釣り出された。
「明日っから、ここで働くんでしょうか。働くとすれば、何時間水に漬かってる――漬かってれば義務が済むんですか」
「そうさなあ」
と考えていた初さんは、
「一昼夜に三回の交替だからな」
と説明してくれた。一昼夜に三回の交替ならひとくぎり八時間になる。自分は黒い水の上へ眼を落した。
「大丈夫だ。心配しなくってもいい」
初さんは突然慰めてくれた。