Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

気の毒になったんだろう。

「だって八時間は働かなくっちゃならないんでしょう」

「そりゃきまりの時間だけは働かせられるのは知れ切ってらあ。だが心配しなくってもいい」

「どうしてですか」

「好いてえ事よ」

と初さんは歩き出した。自分も黙って歩き出した。二三歩水をざぶざぶ云わせた時、初さんは急に振り返った。

「新前は大抵二番坑か三番坑で働くんだ。よっぽど様子が分らなくっちゃ、ここまで下りちゃ来られねえ」

と云いながら、にやにやと笑った。自分もにやにやと笑った。

「安心したか」

と初さんがまた聞いた。仕方がないから、

「ええ」

と返事をして置いた。初さんは大得意であった。時にどぶどぶ動く水が、急に膝まで減った。爪先で探ると段々がある。一つ、二つと勘定すると三つ目で、水は踝まで落ちた。それで平らに続いている。意外に早く高い所へ出たんで、非常に嬉しかった。それから先は、とんとん拍子に嬉しくなって、曲れば曲るほど地面が乾いて来る。しまいにはぴちゃりとも音のしない所へ出た。時に初さんが器械を見る気があるかと尋ねたが、これは諸方のスノコから落ちて来た鉱を聚めて、第一坑へ揚げて、それから電車でシキの外へ運び出す仕掛を云うんだと聞いて、頭から御免蒙った。