Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Leggi 変な男 (へんなおとこ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.508 caratteri · 81 schermate

Aozora Bunko

一

四月末の午後二時頃のこと、電車通りから二三町奥にはいった狭い横町の、二階と階下と同じような畳数がありそうな窮屈らしい家の前に、角帽を被った一人の学生が立止って、小林寓としてある古ぼけた表札を暫く眺めていたが、いきなりその格子戸に手をかけて、がらりと引開けるなり中にはいった。其処の土間から障子を隔てた、玄関兼茶の間といった四畳半の、長火鉢の前に坐っていた女主人の辰代が格子戸の音に振向きざま、中腰に二三歩して、片膝と片手とを畳につき、するりと障子を引開けてみた。が、互に見知らぬ顔だった。

「甚だ突然ですが、実は……。」

出迎えが余り早かったので学生は一寸面喰った形で、そう云い出したまま後は口籠ったのを、辰代は人馴れた調子で引取った。

「何か御用でございますか。」

誘われたのに元気づいてか、学生ははっきりした言葉使いで云い出した。

「私は帝大の文科に通っている、今井梯二という者です。お宅で室を貸して下さることを、友人に聞いて参ったのですが、貸して下さいませんでしょうか。」

「それでは、あの、どなたかお友達の方が……。」

「ええそうです。」と、今井は俄に早口になった。