Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やしゃがいけ

夜叉ヶ池

泉 鏡花

Leggi 夜叉ヶ池 (やしゃがいけ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.689 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

鯉七。鯉の精。夕顔の蔭より、するすると顕る。黒白鱗の帷子、同じ鱗形の裁着、鰭のごときひらひら足袋。件の竹の小笠に、面を蔽いながら来り、はたとその小笠を擲つ。顔白く、口のまわり、べたりと髯黒し。蟹、これを見て引返す。

鯉七 (ばくばくと口を開けて、はっと溜息し)ああ、人間が旱の切なさを、今にして思当った。某が水離れしたと同然と見える。……おお、大蟹、今ほどはお助け嬉しい、難有かったぞ。

蟹五郎 水心、魚心だ、その礼に及ぼうかい。また、だが、滝登りもするものが、何じゃとて、笠の台に乗せられた。

鯉七 里へ出る近道してな、無理な流を抜けたと思え。石に鰭が躓いて、膚捌のならぬ処を、ばッさりと啖った奴よ。

蟹五郎 こいつにか。(と落ちたる笠を挟んで圧える。)

鯉七 鬼若丸以来という、難儀に逢わせた。百姓めが、汝。(と笠を蹈む。)

笠 己じゃねえ、己じゃねえ。(と、声ばかりして蔭にて叫ぶ。)

鯉七 はあ、いかさま汝のせいでもあるまい。助けてやろう――そりゃ行け。やい、稲が実ったら案山子になれ!

と放す。しかけにて、竹の小笠はたはたと煽って遁げる。

はははは飛ぶわ飛ぶわ、南瓜畠へ潜って候。