Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やしゃがいけ

夜叉ヶ池

泉 鏡花

Leggi 夜叉ヶ池 (やしゃがいけ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.689 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

姫、するすると寄り、颯と石段を駈上り、柱に縋って屹と鐘を――

諸神、諸仏は知らぬ事、天の御罰を蒙っても、白雪の身よ、朝日影に、情の水に溶くるは嬉しい。五体は粉に砕けようと、八裂にされようと、恋しい人を血に染めて、燃えあこがるる魂は、幽な蛍の光となっても、剣ヶ峰へ飛ばいでおこうか。

と晃然とかざす鉄杖輝く……時に、月夜を遥に、唄の声す。

==ねんねんよ、おころりよ、ねんねの守はどこへいた、山を越えて里へ行た、里の土産に何貰うた、でんでん太鼓に笙の笛==

白雪 (じっと聞いて、聞惚れて、火焔の袂たよたよとなる。やがて石段の下を呼んで)姥、姥、あの声は?……

姥 社の百合でござります。

白雪 おお、美しいお百合さんか、何をしているのだろうね。

姥 恋人の晃の留守に、人形を抱きまして、心遣りに、子守唄をうたいまする。

白雪 恋しい人と分れている時は、うたを唄えば紛れるものかえ。

姥 おおせの通りでござります。

一同 姫様、遊ばして御覧じませぬか。

白雪 思いせまって、つい忘れた。……私がこの村を沈めたら、美しい人の生命もあるまい。鐘を撞けば仇だけれども、(と石段を静に下りつつ)この家の二人は、嫉しいが、羨しい。