Classici giapponesi con furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.629 caratteri · 408 schermate
それには申年の三月に赤心報国の輩が井伊大老を殺害に及んだことは毛頭も幕府に対し異心をはさんだのではないということから書き初めて、彼らの態度を明らかにしてあったという。彼らから見れば、井伊大老は夷狄を恐怖する心から慷慨忠直の義士を憎み、おのれの威力を示そうがために奸謀をめぐらし、天朝をも侮る神州の罪人である、そういう奸臣を倒したなら自然と幕府においても悔いる心ができて、これからは天朝を尊び夷狄を憎み、国家の安危と人心の向背にも注意せらるるであろうとの一念から、井伊大老を目がけたものはいずれも身命を投げ捨てて殺害に及んだのである、ところがその後になっても幕府には一向に悔心の模様は見えない、ますます暴政のつのるようになって行ったのは、幕府役人一同の罪ではあるが、つまりは老中安藤対馬こそその第一の罪魁であるという意味のことが書いてあったという。その趣意書には、老中の罪状をもあげて、皇妹和宮様が御結婚のことも、おもてむきは天朝より下し置かれたように取り繕い、公武合体の姿を示しながら、実は奸謀と威力とをもって強奪し奉ったも同様である、これは畢竟皇妹を人質にして外国交易の勅諚を強請する手段であり、もしそれもかなわなかったら帝の御譲位をすら謀ろうとする心底であって、実に徳川将軍を不義に引き入れ、万世の後までも悪逆の名を