Classici giapponesi con furigana
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ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 夢殿殺人事件 (ゆめどのさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.755 caratteri · 55 schermate
それからだけでも、この無数の片々が、以前玉幡の衣だった事は明らかであるけれども、一方、金泥の上には踏んだ跡がなく、曼陀羅の肌にも掻傷一つないと云う始末だった。一体、金泥は如何なる方法に依って剥ぎ取られ、そして散華が起されたのだろうか!
法水は、金泥を一個所に掻き集めて、調査を始めた。床には血の点々が僅か残っているだけであったが、此処で、階上の室内に於ける配置を云うと……、中央には、階下から眺めた通りに格子形の嵌戸が切ってあって、その後方には、膝蓋骨の下部にビッタリ付くように作られてある、推摩居士の義足が二本並んでいた。前方には、竹帙形に編んだ礼盤が二座、その左端に火焔太鼓が一基、その根元に笙が一つ転がっている。二つの礼盤の中央には、五鈷鈴や経文を載せた経机が据えられ、右の座の端には、古渡りらしい油時計が置かれてあった。それは、目盛の附いた、円鐘形の硝子筒の中に油を充たして、中部の油が、長柄の端にある口芯まで流れて行き、その点火に伴う油の減量に依って、時を知る仕掛なのである。が、その時は既に灯は消え、不思議な事に目盛は二時を指していた。そして、礼盤の突当りに掲げてある、「五秘密曼陀羅」