Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 夢殿殺人事件 (ゆめどのさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.755 caratteri · 55 schermate
の一幅を記せば、配置の説明の全部が終るのである。
尼僧浄善の屍体は、両眼をき、階段の方を頭に足首を礼盤の上に載せて、四肢を稍はだけ気味に伸ばしたまま仰向けに横たわっていた。三十恰好で大して美しくはないけれども、その平和な死顔には、静思とでも云いたい、厳かなものが漂っているように思われた。それに、未だ硬直がなく、体温も微かに残っていたけれども、何より、二つの驚くべき跡が印されてあったのだ。その一つは四肢の妙な部分に索痕があると云う事で、各々上膊部の中央と、膝蓋骨から二寸許り上の大腿部に残されていた。それから次は、更に異様なものであって、咽喉から両耳の下にかけて、そこを扼したように見える、四本の華奢な指股様の跡が深く喰い入っていて、それが二筋宛並んで印されてあった。しかも、その四つが同時に行われたと云う事は、一つの血痕の上に各々の端が載っていて、そこが少しも乱れていないのでも判るのだった。また、それ以外には擦り傷一つなかったのである。
「こりゃ酷い!」法水が辛っと出たような声で、「軟骨が滅茶滅茶になっているばかりじゃない、頸椎骨に脱臼まで起っているぜ。