Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
そうすると、急に娘の言葉が甘ったるくなって、
「ねえ、マドロスさん」
「エ」
「そんなに苛めなくてもいいことよ」
「ワタシ、チットモ、アナタイジメルコトアリマセン、アナタ可愛クテタマラナイデス」
「可愛がって頂戴。可愛がって下さるのはいいけれど、それほど可愛いものなら、わたしを大切にして頂戴、ね、ね」
「大切ニシテ上ゲルデストモ、ワタシ、命ガケデアナタヲ可愛ガルヨロシイ」
「では、わたしも、もう我儘を言わないから、無理なことしないで頂戴、ね」
「無理ナコトシタリ、言ッタリ、ソリャ、オジョサン、アナタノコトデアルデス」
「仲直りしましょうよ」
「ワタシ、仲直リスルホド、仲悪クアリマセン」
「ですけれど、マドロスさん、今晩はまた寒いのね、この毛布一枚じゃ、どうにもなりゃしない」
「火ヲ焚クデス、夜通シ火ヲ焚イテ暖メテ上ゲルデス」
「では、焚火をして頂戴」
「ヨロシイデス」
マドロスは、唯々として命令に服従し、今夜の寒気を防ぐべく火を焚く前に、臨時のストーブの築造にかからねばならないことを知りました。しかし、この女を暖めるためには、そのくらいの労力や才覚は何でもない、つとめて保温を完全にして、今夜一晩の、この娘の歓心を買うことにつとめなければならない。