Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
そうしていると、突然、あちらの方で、
「仏頂寺、仏頂寺!」
高らかに呼ぶのは、丸山勇仙の声であります。
「何だい」
それに答える仏頂寺の声が、今日はいつもより一段と太くてすさまじい。
「松茸の土瓶蒸をこしらえて食わすから来い」
「ナニ、松茸の土瓶蒸!」
と言った返事が、やっぱりすさまじく四辺にこだまして聞える。
仏頂寺が振返って見ると、丸山勇仙が、以前の地点で盛んに火を焚きつけている。
「ふーん、松茸の土瓶蒸と聞いちゃ、こてえられねえ」
仏頂寺は仏頂面をしながら、でも、松茸の土瓶蒸がまんざらでもないと見えて、しぶしぶ引返して行くのです。
十三
仏頂寺が以前の地点へ立戻って見ると、丸山勇仙は、もうかいがいしく料理方を立働いている。
なるほど、土瓶蒸の献立がすっかり出来上っている。原料の松茸は、途中こころがけて山路で採集して来たものであろうし、それを土瓶に仕かけて水を切って、火を焚きさえすれば口へ運べるようにととのえて持って来ているらしい。
おまけに彼は一瓢をも取り出して、そこへ並べてあるのは、松茸の土瓶蒸だけでなくて、紅葉を焚いてあたためるの風流にも抜かりがないとは、なんと優しいことではないか。