Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「そうだろうと思った。それではお通し申して置き。それから、用箪笥の抽斗の二番目のをそっくり引き出してここへ持って来て下さい」
女中はまず、命ぜられた通りに用箪笥の抽斗をそっくり引抜いて、お絹の前へ持って来てからまた取次に出かけました。
お絹はその抽斗の中を選り分けて一枚の借用証文を引き出しました。この証文は、お角が甲府へ旅興行に行く前に、仕込金として、忠作から借りて行った金の証文であります。
「お松や」
お絹は証文の皺を伸ばしながらお松を呼びました。
「はい」
「わたしが今お客様と話をしていますから、もしお茶をと言った時分に、お前はお茶を入れて持って来て下さい。お客様は、お前の面を見ると何か言い出すかも知れないが、お前は心配しないで、お茶を出したらば直ぐに奥へ入っておしまい」
こう言ってお絹はとりすまして客間へ立って行きました。
「お初にお目にかかりまして」
お絹とお角と両女の挨拶があってから、お角が改めて、
「さきほどお目にかけましたお手紙、どうやらお門違いとも思われませんのに、御様子がおわかりにならないそうでございましたから、押してお目通りをお願い申しました」